No.806 40肩、50肩

OCT 19, 202612 MIN

Description

要約 本回は、肩の痛みが「四十肩・五十肩」と診断されるケースについて、ひめ先生とマツバラが、前方亜脱臼との関連や診断・治療上の見落としの可能性を議論した回である。結論として、前方亜脱臼が疑われる症状や評価方法について両者の認識は共有された一方、整形外科でこの名称や整復治療が一般的に説明されない理由は解明されなかった。マツバラは、この疑問を改めて調べ、後日説明する意向を示した。 従来受けてきた肩痛治療 マツバラは、肩が上がらない痛みで受診した際、レントゲン撮影後に「四十肩」と説明され、塗り薬や関節内へのヒアルロン酸注射を受けた経験を共有した。注射後は一時的に動かしやすくなったものの、2~3週間後には再び痛みが出たという。マツバラはヒアルロン酸注射自体の痛みも指摘した。 前方亜脱臼という見方 ひめ先生は、上腕骨頭が前方に出ている、いわゆる巻き肩の状態で肩痛を訴える人がおり、腕を上に挙げられないことが特徴的なサインになり得ると説明した。そのような例を確認すると、前方亜脱臼と考えられる人が多いとの見解を示した。四十肩・五十肩という呼称は、原因を特定しないまま用いられている場合があるのではないか、という問題意識が提示された。 関節支持と画像評価の難しさ ひめ先生は、肩関節は可動域が広く、深部のインナーマッスルが関節を支えていると説明した。これらの筋肉が弱くなると関節を支えにくくなり、完全に外れれば脱臼、完全には外れない不安定な状態が亜脱臼だという説明であった。前方亜脱臼は、レントゲン上では上腕骨頭がやや下方・前方へ回転して見える程度の場合があり、撮影時の姿勢や角度の影響も受けるため、疑って狙った撮影をしなければ見つけにくい可能性があるとされた。 診察・治療への疑問 マツバラは、肩が上がらない患者に対して前方亜脱臼を疑うべきであれば、なぜ多くの場合にその説明がなく、四十肩として注射治療に至るのかと疑問を表明した。ひめ先生は、触診で上腕骨頭の位置やぐらつきを確認することが手掛かりになると述べ、整復は手で関節を正しい位置へ戻す方法であり、1~2回試すことは必ずしも高リスクではないとの見解を示した。ただし、繰り返しても改善しない場合には整復を続けるべきではないとも述べた。 未解決の論点 両者は、実際に整復後に調子が良くなった経験・事例が複数あることを確認したが、整形外科で前方亜脱臼の名称や整復治療が十分に説明されない理由については、明確な回答に至らなかった。これは今回の中心的な未解決事項として残った。 マツバラは、肩の痛みと腕が上がらない症状で受診すると、レントゲン撮影の後に「四十肩」または「五十肩」と説明されることが多いと述べた。自身も外科で四十肩と診断され、塗り薬や関節内へのヒアルロン酸注射を提案された経験がある。注射後には動きが改善したが、その効果は2~3週間程度で、再び痛みが出たという。 ひめ先生は、上腕骨頭が前方へ出ている状態、いわゆる巻き肩の人の中に肩痛を訴える人がいると説明した。巻き肩や猫背自体は以前からあっても、2年前や半年前から痛み始め、四十肩・五十肩と説明されるケースがあるという。 さらに、痛みを訴え、腕を上方へ挙げられない人を確認すると、前方亜脱臼と考えられる状態が見られることが多いとの見解を示した。マツバラは、腕が上がらないからこそ受診し、四十肩と診断されるのではないかと応じた。 ひめ先生は、肩や股関節は大きく動く関節であり、深部のインナーマッスルが関節を支えていると説明した。インナーマッスルが弱くなると関節を支えにくくなり、完全に抜ければ脱臼、完全には抜けず関節が安定してはまらない状態が亜脱臼に当たるという説明であった。 マツバラは、この状態が痛みの原因になるのかを確認し、ひめ先生は痛みが生じると回答した。また、画像検査で容易に分かるのではないかという問いに対し、ひめ先生はレントゲンでは上腕骨頭のわずかな下方・前方回転として見える程度の場合があると述べた。 ひめ先生は、レントゲン撮影時の手や肩の位置によって所見が変化し得るため、前方亜脱臼を疑って、その状態を確認する目的で撮影しなければ見つけにくい可能性があると説明した。マツバラは、四十肩として肩が上がらない人であれば前方亜脱臼を疑うべきではないかと質問した。 ひめ先生は、前方亜脱臼を疑うよう教わったと述べ、触診では上腕骨頭が下がっていることや前方へ出ていることを確認することが手掛かりになると説明した。ただし、マツバラは自身を含め、その名称を医療機関で説明された経験がないと指摘した。 マツバラは、整形外科ではレントゲン後にヒアルロン酸注射を受ける流れが多く、整復治療を受けた経験はないと述べた。ひめ先生は、整復は手を用いて関節を正しい位置へ戻す方法であり、難しい手技ではないとの認識を示した。一方で、何度行っても改善しない場合には続けない方がよいとも述べた。 マツバラは、ひめ先生に整復してもらって改善した経験があり、同様に改善した人も複数いると話した。そのため、前方亜脱臼が比較的多いのであれば、なぜ四十肩・五十肩として扱われ、前方亜脱臼という説明や整復につながらないのかを強く疑問視した。ひめ先生も、この理由は不明であるとの反応を示した。 肩が上がらない・痛む症状について、四十肩・五十肩などと説明され、レントゲン撮影、薬・塗り薬、関節内へのヒアルロン酸注射を受けるケースが話題となった。 話者 1は、ヒアルロン酸注射後に一時的に動かしやすくなったが、2〜3週間後には再び痛みが出た経験を述べた。 話者 2は、上腕骨頭が前方へずれた「前方亜脱臼」とみられる状態が、肩痛や腕を上げられない症状のある人に見られることがあるとの見解を示した。 話者 2の説明では、関節を支えるインナーマッスルが弱くなると関節が支えられず、完全に抜ければ脱臼、完全には抜けない状態が亜脱臼となる。亜脱臼では骨が関節にはまりきらない不安定な状態となり、痛みにつながるとされた。 話者 2は、前方亜脱臼はレントゲン上で上腕骨頭がやや下方・前方に回転しているように見える程度の場合があり、撮影角度や撮影時の手の位置によって見つけにくい可能性があると説明した。 同氏は、前方亜脱臼を疑って狙った撮影をしなければ、写真だけでは見つけにくいとの見解を述べた。一方で、視診・触診で前方への突出や不安定さを確認できる場合があるとした。 話者 2は、肩が上がらない場合には前方亜脱臼を疑うよう教わったと発言した。 整復について、話者 2は手技で関節を正しい位置に戻す方法があり、1〜2回試すことは大きなリスクではないとの見解を述べた。ただし、何度行っても治らない場合は続けない方がよいとした。 話者 1は、前方亜脱臼と説明・整復を受けた経験は少ない一方、話者 2に「はめる」対応を受けて調子が良くなった経験がある人が複数いると述べた。 未解決の疑問として、肩痛や挙上困難が四十肩・五十肩として扱われやすく、前方亜脱臼の診断に至りにくい理由が挙げられた。話者 2も理由を明確に示せなかった。 チャプター肩痛と「四十肩」診断、ヒアルロン酸注射の経験‎巻き肩・上腕骨頭の前方偏位と前方亜脱臼の可能性‎肩関節の支持機構と亜脱臼の説明‎撮影条件と診察での見極め‎整復治療の経験と診療上の疑問‎行動項目マツバラ: 肩の痛みが四十肩・五十肩として扱われ、前方亜脱臼の診断・治療につながりにくい理由を改めて調べ、後日説明する。 ‎肩痛と前方亜脱臼の見落としに関する議論主な論点診断・対応をめぐる疑問アクション項目話者 1:肩の痛みが四十肩・五十肩として扱われ、前方亜脱臼に至りにくい理由を改めて調べ、後で取り上げる。